就業規則を作成する際、
「振り替え休日」 と 「代休 」って何が違うんですか?
という質問をよく受けます。
インターネットが普及している現在では、就業規則も
厚生労働省のホームページに、テンプレート(モデル就業規則)が公開されています。
それを自社に合わせて、自分で作ってみよう!
と、チャレンジされる経営者の方もいるのですが、
厚生労働省のテンプレートでは、
(休日)
第18条 休日は、次のとおりとする。
① 土曜日及び日曜日
② 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
③ 年末年始(12月 日~1月 日)
④ 夏季休日( 月 日~ 月 日)
⑤ その他会社が指定する日
2 業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と
振り替えることがある。
と、いう条文が例文として挙げられており、
その下に、
本条第2項において定めている、いわゆる「振替休日」とは、例えば業務の都合によって
所定休日である日曜日に勤務させなければならない場合に、当該日曜日を勤務日に変更し、
その代わり勤務日である例えば月曜日を休日とするように、所定の休日とあらかじめ他の
勤務日と振り替えることをいいます。
また、「代休」とは、休日に休日労働を行わせた場合に、その代わりに以後の特定の勤務日
又は労働者の希望する任意の勤務日の労働義務を免除し、休みを与える制度のことをいいます。
と解説はしてくれているのですが、
結局自分の会社が「代休」の制度を取り入れた方がいいのか、
「振替休日」の制度を取り入れればいいのか。
それを法律的な条文にするとしたらどう記入すればいいのか・・
そんな疑問から、やっぱりよくわからない、社会保険労務士に任せよう、
と依頼してくださる方が多いようです。
厚生労働省の作成見本はとても親切に作られていますが、
就業規則に入れる 条文 と 説明書き 、労働基準法の解説 が混在していて、
普段から法律独特の言い回しになれていないとなかなか取扱いの難しいところです。
「労働基準法上の振替休日と代休の取扱いの違い」
○振替休日
あらかじめ、休日を他の日に振り替えることです。
「あらかじめ」「事前に」休日を振り替える日を決めて働くため、
指定の休日に勤務しても通常の勤務と同じ扱いになります。
したがって、原則、休日労働に対する割増賃金は発生しません。
(ただし、振り替えた休日が週をまたがった場合、振替勤務したことにより、
その週の労働時間が週の法定労働時間を超える場合は割増賃金が必要です)
○代休
代休は、定められた休日に休日労働を行わせた場合をいいます。
ただの労働日の増加になります。
「休日出勤をした後で」代休を与えても休日労働をさせたことが
帳消しにされるものではありません。
したがって、休日労働に対する35%の割増賃金を支払う必要があります。
これが大きな違いです。
こうみると、割増賃金が発生しない「振替休日」を会社に取り入れたい、
と思う方が多いと思いますが、
「振替休日」を会社で運用するためには、あらかじめ就業規則に規定を設け、
従業員に周知する必要があります。
また、あらかじめ振替休日を設定したとしても、
週の法定労働時間(原則40時間)を超えた場合には、割増賃金の支払いが必要となります。
たとえば、
月~金の週5日、1日8時間労働の会社が、振替休日の制度により、
土曜日に出勤してもらった場合、この週の労働時間は48時間となます。
すると、振替休日の制度があっても、
週の法定労働時間である40時間を超えている8時間については、
割増賃金(25%)の支払い義務が生じます。
このように、なんだか難しい「振替休日」の制度。
ご自身で就業規則を作成する場合は、厚生労働省の説明書きをよく読んで
うっかり未払賃金が発生してしまわないようにしましょう。
社会保険労務士にお任せしようという方はこちら。
8月1日の教祖祭PL花火芸術です。
こちらは8月6日の神戸海上花火大会。
iphoneでの花火撮影に限界を感じます・・
花火大会も終わり、お盆休みも終わり、
今日から仕事始めの会社も多いようです。
暑い日が続きますが、身体に気を付けてがんばりましょう