先日ちょっと手術・入院をしていたのですが、その時にとても役立った健康保険の制度のご案内です。
突然、病気、怪我をしてしまってい、入院することになってしまった時、一体いくらかかるんだろう・・と不安になることもあるかと思います。
私の場合、5日間の入院で18万円!と、そんなに急にだせません!という金額でした。
そんなときに、健康保険にはとても助かる制度があります。
■高額療養費制度
高額療養費とは、毎月1日から月末までの間に支払った医療費の自己負担額が高額になった場合に、
収入によって定められている「自己負担限度額」を超えた分を後で払い戻してくれる制度です。
こちらは、後日、加入している健康保険協会(または組合)に申請することで窓口で支払ったお金が返金されます。
これを「高額療養費制度」といいます。
医療費が10,000円かかったとすると、窓口でのお支払い(自己負担)は3,000円です。
※小学校入学前、70歳以上の方(現役並み所得者は3割)は、2割負担。
高額療養費を申請すると・・・
このように、3割の自己負担からさらに、自己負担限度額を差し引いた差額を返金してくれます。
■自己負担限度額とは
自己負担限度額は、加入している健康保険団体、年齢、所得(収入)状況等によって異なります。
一般的な中小企業が加入している協会けんぽの場合は以下の通りです。
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数回該当 |
標準報酬月額83万円以上の方 (報酬月額81万円以上の方) |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
標準報酬月額53万~79万円の方 (報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方) |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
標準報酬月額28万~50万円の方 (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方) |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
標準報酬月額26万円以下の方 (報酬月額27万円未満の方) |
57,600円 | 44,400円 |
被保険者が市区町村民税の非課税者等 | 35,400円 | 24,600円 |
以前は3段階の所得区分でしたが、平成27年1月から5段階の区分に分けられています。
※70歳以上の方はこれとは別の所得に応じた分類になります。
標準報酬月額とは、毎月の給料などの報酬の月額を、区切りのよい幅で区分した等級表で決定します。
(区分については、こちらの都道府県ごとの保険料額表をご確認ください)
会社に確認してもいいですし、自分の給料明細を見て、引かれている健康保険料の金額で確認することもできます。
たとえば、毎月の給料が250,000円ぴったりの方は、標準報酬月額は260,000円の等級になるため、「標準報酬月額26万円以下の方」に該当するため自己負担限度額は57,600円になります。
■実際の支払額は
では、実際に、計算してみます。
こちら、実際の領収書です。まずは領収書の見方からです。
上半分が保険(保険診療)、下半分が 保険外(保険外診療)です。
保険診療(赤い枠内)の合計の3割負担の金額が144,210円(負担金枠内)となります。
注意点として、食事負担金、室料差額、文書料などの費用は、高額療養費の支給対象外になります。
そこで、食事代(食事療養費)3,240円 追加されて、合計が147,450円 なります。
(今回は5日間の入院で9食食べてこの金額です。)
次に、下の段、保険外診療欄 です。
室料差額30,000円、とありますが、差額ベッド代ともいわれ、個室など、要望を出した時に追加されます。
今回は付き添いが1泊するために発生しました。これは保険外の対応になるため、別記載になっています。
そして、その他300円。今回は冷蔵庫を3日間レンタルし、1日100円だったので、300円。
保険外診療です。
ということで、消費税をたして、合計が32,720円 です。
詳細を記入してみると、「診療」行為とはいえないものに対してかかっているものなので、
「保険外診療」で納得かと思います。
高額療養費制度の対象になるのは、保険診療のみになります。
これをもとに、先程の給料が25万円の人で計算してみると、保険診療の3割負担分の金額(負担金枠内)144,210円だけが対象のため、
自己負担額144,210円 ー 自己負担限度額は57,600円 = 86,610円
こちらが高額療養費で返金される金額になります。
つまり、実際にかかる今回の病院代は、
自己負担限度額は57,600円 + 保険外診療32,720円 + 食事療養費3,240円 = 93,560円
ということになります。領収書の金額180,170円を考えるととても助かる制度です。
ざっくりとした説明になり細かな要件は省略していますが、
まずは、こんな制度があるんだ!ということを知っておくことが大切です。
ということで、まだ遠出ができないのでご近所でランチ。
社労士事務所から徒歩3分のところにあるCafe MANOさん。
歩いて3分、だけど、待ち時間1時間超えの大人気でした。