この週末、大型の台風の接近が予測されています。
今月、9月4日の台風21号の際も、和泉市では大きな被害が出ました。
飲食チェーン店やスーパーの看板が吹き飛んで割れていたり、信号や電柱が倒れていたり、現在もブルーシートに覆われた家が多くなっています。
ご近所でも、どこかからトタンが飛んできたようで大きな穴が開いてしまい、みんな屋根にあがって修繕作業をしていました。
停電も広範囲にわたり、弊社でもインターネットが使えず、まるまる1週間業務が停止してしまい、修繕作業に追われました。
そこで、前回同様の規模の台風が来るという今週末。
前回も質問がありましたが、
台風などの自然災害時、休業した場合に従業員の給与をどうすればよいのか、という問題が生じます。
労働基準法の休業手当
労働基準法では、
第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。 wikibooks
このように、「使用者の責めに帰すべき事由」による休業の場合には、その休業期間中労働者に対して平均賃金の60/100以上の休業手当を支払うことが定められています。
しかし、先日の台風のように交通機関が停止し、休業とした場合には、この要件にはあてはまりません。
そのため、会社側は休業させたとしても、休業手当を支払う必要はありません。
ただし、従業員としては、自分のせいではない事情で無給状態となってしまうことになり、損害が生じます。
労働者も損害が生じない会社の対応
そこで、会社としては、会社を休業し、従業員を休ませる場合には、
● 自宅で作業できる業務の場合は在宅勤務に変更する
● 有給の取得を奨励する
● 振り替え休日として、ほかの日に出勤を促す
などの対応を行うことができます。(振替休日とする場合には、事前に就業規則に定めておく必要があります)
無理に出社させた場合には、先日のような規模の台風の場合、
通勤時に飛来物や落下物にあたり大怪我を負う恐れもあり、何かあった時には会社の安全配慮義務違反となってしまいます。
大きな台風が来る前には、営業を行うのか、休業として有給取得を推奨するのかなど、
事前に方針を検討しておきましょう。
皆様くれぐれもお気をつけください。
※なお、電車が通常運航しているような小規模な台風の場合に休業させた場合には、会社独自の都合のため、休業手当が発生します。